朝ドラ雑感
朝の連続テレビ小説が第4週目に入りました。朝ドラウォッチャーの番頭さんが何を言い出すかと気になっている方もいらっしゃるかも知れませんので、沈黙を破って一言
「まあまあ」です(偉そう)
前作は第2週目でフリーズしてそのまま最後まで動かず仕舞いでしたが、今作は今のところ欠かさずに観ています。いくつか気になる演出(松嶋菜々子さん演ずる母親の描き方など)もありますが、今のキャストになってからの兄弟の描写には唸らされることが何度もありました。これは演出以上に彼らの演技力に由るところが大きいと思っています。特に今日の北村匠海さんの繊細な芝居は実に見事でした
脇もかなりの実力者で固められていますね。ヒロインの母親役の江口のりこさん、ジャムおじさんの阿部サダヲさんなどはあまり朝ドラタイプの役者さんではないと思うのですが、これが逆に新鮮な朝ドラ感を醸しているような気がします。ヒロインの今田美桜さんはまだ朝ドラヒロインの典型を崩せていませんが、これから時代がうねってゆくのと共に変わっていくのでしょう。まだまだ温かい目で見守ってあげたいと思います
先週の回で、伯父が主人公(嵩)にむけて「何のために生まれて、何をして生きるか、何がおまんらの幸せで、何をして喜ぶか」という言葉を与えました。これ、わかる人はわかるのですが、やなせたかし氏の『それいけ!アンパンマン』の主題歌の出だしの歌詞と重なるんですね。アンパンマンの世代ではない番頭さんもすぐ分かったくらいなので、その日のSNSでは「鳥肌が立った」などと一気にトレンドに上がっていたようです
この作品がこれから辿る道は今までの朝ドラでも数えきれないほど描かれた「日本の暗黒」の季節です。今の主要人物もおそらくは何人かがこの悲劇の犠牲になってゆくのだと思います。脚本家は中園ミホさん、お手並み拝見(何度も偉そうに)です。戦前回帰のような空気がメタンガスのようにじわじわと漂っている今の日本に、やなせたかし氏の優しい世界を振り撒いてあげて欲しいと願います
さて今日の一曲
さだまさしさんは安っぽいドラマ性が苦手な曲も多いんですが、好きなものも多くあります。これもそのひとつ。曲のモデルになった医師の方は今年の2月に亡くなられてちょっとだけニュースになっていました
では今回もご覧いただきありがとうございました