祭囃子が聞こえる

今日は3連休の最終日です

振替休日ではなくて、10月の第二月曜日がスポーツの日ということですが、番頭さんたちの世代では10月10日が体育の日だったんですよね。いつからそうなったんだろうと思って調べたら1998年、もう20年以上前からそうなっていたんですね。3連休を作るという政府の方針だったらしいんですが、何月何日と言えない祭日ってなんか分かりにくいですよね


祭日といえば、さきほど来月11月3・4・5日に行われる富士宮市最大の祭典「秋宮・富士宮まつり」のポスターが配られてきました。数日前からは店舗の軒先にいくつもの提灯が飾られて、夜になると太鼓やお囃子の練習の賑やかな音が聞こえてくるようになっています

市街地を中心とした各区が豪華な山車を曳き、競り合いなどで意地と粋を見せつける勇壮なお祭りです

ポスターにも書かれているとおり、4日の「本宮」がハイライトで、最終日の5日は市街中心の地区のみが曳き回しを行います。5日だけは平日なので、小中学生はこの地区の生徒だけ特別休暇になるそうです。でも祭りに参加せずサボるってわけにはいかないんでしょうね(笑)

かりんこさんはこの場所にお店を出させてもらって、商店街の行事などにも参加していますが、最初に驚いたのは商店主の皆さんがみんなファーストネーム(下の名前)で呼び合っていること。さすがに私は「かりんこさん」とか苗字とかで呼ばれていますが、他の60過ぎの人までもみんな名前呼びです。もはやひとつの家族なんですね。これは間違いなくお祭りの「区」の慣わしでしょう。番頭さんの生まれ育った地域にも青年団とかそれなりの組織はありましたが、その地に生まれたからには何処に行っても祭りのときには必ず帰ってきて山車を曳くというような文化はありませんでした。大きなお祭りがある土地の特徴なんでしょうけれど、隣人の顔も知らないような都会のコミュニティがもはや一般的な時代にあってこれは凄いことだなと思います(自分がそこに育ったらイヤでしょうがないですけどw)

余談ですが、薩摩(今の鹿児島県)藩には「郷中」という制度が明治期まであって、要は青年団みたいなものなのですが、下級武士の子息たちは一定の年齢になると家を出されて、共同生活を営まされます。いかに強き男となるか、年長者が年下の者たちに教え育てるのだそうですが、この若き集団が幕末の争乱期にあって大きな力を持つことになります。下級でありながらも殿様に目通りが叶うほど地位を高め、彼らが率いる「薩摩」はやがて260年続いた徳川幕府をも倒しうる強大な勢力となるのですが、そのバックボーンを担ったのは郷中で鍛えられた薩摩隼人の胆力であると言われています。そしてその二大巨頭となったのが、最も郷中色の薄かった大久保一蔵(利通)と、二才(にせ・郷中の最も若い世代)に熱狂的な支持を得ていた西郷吉之助(隆盛)で、この2人はいずれも明治新政府の重鎮となるのですが、やがて袂を分かち、西郷は下野。そこで彼を慕う二才たちに担がれて中央政府に叛乱の火を挙げることとなったのです(西南戦争)。これに敗れた西郷とともに明治期まで残っていた郷中という精神共同体も幕を閉じたのです

浅学を偉そうに披露してまで何を言いたいかといいますと、「こういうのって面倒臭いし危ないよね」という集団行動が苦手な横着者の言い訳なのでした(笑)


さて、かりんこ家のきょうの夕飯は番頭さん得意のおでんです。静岡おでんというと牛すじの入った黒いツユでダシ粉や青のりをかけるというイメージですが、我が家は豚の白モツを入れます。最近は面倒くさくて省いていますが、ツユに味噌と砂糖を入れた特製タレにつけるという食べ方もします

などと書くと、料理のできる協力的な旦那さんなどと思われるかもしれませんが、だいたいこんなの作るのはせいぜい年に2回程度ですので、買いかぶらないようお願いいたします





お祭りは11月の初頭ですが、その前に衆議院選挙があります。「カネと政治」が争点などと言われていますが、こんなのは何十年も前から言われていることを守れない政治屋がいるだけのことで、再発防止が云々ではなく、いかに罰するかだけで済む話。裏金が露見した人にはさっさとご退場いただかないとこの国の政治も前に進まないですよ

今日の一曲はタイトルそのままに



では今回もご覧いただきありがとうございました

祭囃子が聞こえる” に対して2件のコメントがあります。

  1. ゴーゴン より:

    薩摩の話、勉強になります!

    こちらでも地元の知り合い同士は比較的ファーストネームで呼び合う人が多い気がしてますが、学校のクラスで同じ名字の人が何人も居たからとか。それと同じくらい、ご近所の家族親戚のような付き合いがあるかららしいです。最近はそれらも薄れつつある印象です。
    お隣韓国は名字の数そのものが少なくてフルネームで呼んだりしてますね。呼べる長さの名前になってますしね。

  2. karinko13 より:

    同姓が多い地区だと確かに名前呼びになりますよね。ここ富士宮市では「佐野」姓が圧倒的に多いので、出張商店街などで田舎のほうにいくと苗字呼びを聞いたことがありません。
    ただ、この商店街の人たちはまったく苗字が被っていませんw

    こういう慣習はその鬱陶しい精神集合体とともにずっと残って欲しいなと思います。
    絶対にその輪には入りたくないので、大祭が近づくとやんわり勧誘してくるご近所さんたちが毎年怖いですw

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