目黒のさんま
巷は3連休だったんですね。その前に夏休みをとったかりんこさんは何となく時差ボケしているような気分です。
ここのところ雨の日が多かったこともあり朝晩は少しだけ過ごしやすくなっていますね。このまま少しずつ秋らしくなってくれるといいんですが、どうせその淡い期待はあっさり裏切られるんでしょうね。
秋といえば、今年は秋刀魚(さんま)が久しぶりの豊漁だそうです。庶民の魚と言われてきたさんまがここ数年は不漁続きで、高級魚になってしまっていたから、とても嬉しい話ですよね。そのうえ不漁が続いて稚魚がすくすく育ったのか、身も大きく脂の乗りもいいそうです。
番頭さん、いちど「目黒のさんま祭り」に行ってみたいんですよね。今年は10月12日の日曜日なんだそうですが、サンマの炭火焼きこれまでは先着順だったのが、事前応募制の抽選で目黒区民にだけ配られるそうです。有料でもどっかのお店が軒先で焼いてくれたりしてたら嬉しいんだけどな。
なぜ目黒でさんま?という人もいるかもしれませんが、有名な古典落語ですね。
ネタバレになりますがこんな話です。
ある日家来衆を連れて鷹狩りに目黒村に出かけた三代将軍徳川家光。共の家来が弁当を忘れてしまい、空腹なまま馬を駆っていたところ、民家の竈からいい匂いが漂ってくる。
「あのよい匂いは何じゃ?」と訊くと、「あれはさんまという下衆魚を焼いてございます。とても上様が召し上がるようなものでは」「構わぬ、空腹じゃ。求めてまいれ」
家来衆、民家に駆け込んで炭で真っ黒になったさんまを持ってきた。上様空腹で毒見も作法もなくガブリ。骨は家来衆が抜いたのでしょうが一気に平らげると、このような美味い魚はついぞ知らんかったと上機嫌。
お城に戻ってからも盛んにリクエストするのだが、家来衆は上様にさんまなぞ食わせるとはあってはならんことだと、なんのかんの言って決して膳に添えることはしなかった。
するとある日、上様親戚筋の家から夕餉に招かれることに。お招きゆえ、料理は相手方の家来。上様ここぞとばかりにさんまを所望した。困ったのは自分の家来衆、あんな脂っこい魚はお身体にもよろしくはないと相手方の料理人に相談。
上様のリクエストを無下にことわるわけにもいかず、両家ご家来衆、苦肉の策でいちど蒸してから網で焼くという手段を考えつく。
かくして膳に上がった待望のさんまを食した上様、おや?以前目黒村でかぶりついた味とは全然違う。そりゃあ蒸して脂を落としたさんまが美味いはずもなく、相手のお殿様や家来衆を集めて尋ねた。「美味くないが、こりゃどこのさんまじゃ?」「はっ、日本橋の河岸にて購いました今朝いちばんのものにてござります」
上様それを聞いて得心のニヤリ。「そち達は意外と巷のことを知らぬのだな」「よかろう教えてつかわす。よいか、さんまは『目黒に限る』」
おあとがよろしいようで。
新作は鋭意製作中です。来週には先日の展示会で出会った面白いバッグ屋さんの商品が入ります。こちらは是非ともご期待ください
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最近名前を聞かないのでどうしてるかと思ってたら、まだまだ現役で頑張っておられるようです
では今回もご覧いただきありがとうございました