日本映画の問題点
昨夜はAmazonプライムで映画を観ました
昨年の日本の映画賞を総ナメした(日本アカデミー賞は論外ですが)『ケイコ 目を澄ませて』です。聴覚障害を持った駆け出しの女性プロボクサーの話
特にドラマティックな展開はなく、障害者の視点に過度に寄ることもなく、ただ淡々とひとりの女性の喜怒哀楽がリアリスティックに描かれていました。デジタルではなく16ミリフィルムで撮影、光と影を巧みに使い分け、日本で最も権威ある映画誌「キネマ旬報」のベストワンにも選ばれただけのことはある、真面目な秀作でした
なんですが、現在の日本映画が陥っている問題点もそこにはありました。総合芸術である映画としてのダイナミズムの欠如です。この映画では劇中音楽が一切ありませんでした。聾者の主人公の感覚に近づけたかったのかも知れません。結果静かで深い余韻は確かに残りましたが、ものすごい感動というものには少し遠かったように思えます
一緒に観ていた奥方様曰く、「何を言いたかったのかよくわからない」
すかさず「それは起承転結がはっきりした韓ドラの観すぎ(いや、あれは起承転転転かw)だよ」と答えたものの、一理あるんですよね。本来映画芸術とはもっと観る側をワクワクさせるエネルギーを持っていないといけない。日本映画は悪い意味でとてもドメスティック(内向的)になりすぎて骨太で楽しい作品を生み出せなくなっている
かつては黒澤明や小津安二郎らがドメスティックでありながら世界を驚愕させるような作品を作っていたのに、今はそのエネルギーがなくなっている。逆に今の韓国映画が当時の日本映画のような勢いをもって世界を席巻しているんです。これはK-POPも同じですね。
この秀作を観て逆にそういったものを感じ取ってしまった昨夜なのでした
そしてここで新作紹介です
紫陽花の絵柄の手ぬぐいをベースにした着丈90cmのフラックチュニックです。サイズはフリーで価格は7,800円です。とても品のある素敵なデザインですよ。売り切れ必至です、どうぞお早めに見にいらしてくださいね
話はまた変わりますが、さきほどBSで『鬼平犯科帳』を観ました。今は亡き中村吉右衛門さんをはじめ、蟹江敬三さん、綿引勝彦さん、江戸家猫八さんといった伝説的な名役者たちが競うようにその芸を披露していました。これぞ日本流エンタテインメントです!
今日の一曲はやっぱりこれになります。スペインの音楽が時代劇のエンディングにこんなに合ったとは、日本テレビ史上の奇跡のひとつと言ってもいいでしょうね。たぶん3回目の貼り付けになりますが