とんぼ玉ホリデー

私事ですが、番頭さんは昨日たぶん30年ぶりぐらいに歯を抜いてきました

昔は恐怖でしかなかったのですが、今回はなぜか心わくわく。30年も経っていれば抜歯技術も麻酔の効力も当時よりは段違いに進歩しているでしょうからね。まあ、事前に歯医者さんから「そんなに時間はかからないと思いますよ」とも言われていたので、とにかく気を大きくして行ったのです

麻酔はすぐ効きました。黙々と作業は進んでいる。うん、痛くないじゃん。どんな器具を使っているのかは全くわからないけど、昔のようなヤットコを使うなんてことはないでしょう。なるほどやはり進歩は著しい、凄いぞ日本の技術力！♪科学の勝利だ～鉄腕アトム♪・・・・と、異な感覚が突然炎の如く。うががが。「ごめんね、かりんこさん。口があまり開かないんだったよね」と、何かつっかえ棒みたいなものを反対側の口に立てられてる。「さて、これからね」えっ？終わったんじゃないの？ぐわわわ、痛たたたたたた。歯茎を支点にテコの原理で抜き取ろうとしているのがよく分かる。抜かれる痛みじゃない、支点にされた歯茎がへこむんじゃないかという痛みだ。ああ、涙も出ているじゃないかあああああ

「取れましたよ」という先生の朗らかな声で失神寸前の三途の川から呼び戻された。ああ、あくびのときに出るくらいの涙が目に残っている。もう少しで還暦の男の子が恥ずかしいじゃないか

痛みはすぐ治まった。これならもう大丈夫だ。先生の諸注意を聞きながら、調子に乗って「今日はお酒は別に大丈夫ですよね？」

朗らかな先生と美人の受付兼歯科助手から冷たい叱咤が飛んできた。雲間からの陽射しが眩しかった

お待たせしました。奥方様の新作です