新入荷と新作情報と中国映画と

先日の水曜日は奥方様ヤボ用で東京まで独りで行ってきましてね。用事は夕方16時からということなので、せっかくだからと問屋街で少しだけ仕入れをしてきました。


みなさんはこの時期、問屋さんがどんなものを売っていると思いますか?

まあ、ご想像通りいちおうは「秋物」です。夏物を売っている問屋さんはほとんどありません。

ですがこの陽気、9月も間近なのに毎日が30度超え。問屋さんの多くが頭を抱えている状態です。



かりんこさんがお店を始めた8年ぐらい前は、東京の日本橋の問屋街には規模大小様々なお店が100軒以上もありましたが、今はその2/3ぐらいに減ってしまっています。驚くのはそんな中で自社ビルも持っていた大手や、アクセサリーから寝具まで扱うような総合商社の退店や倒産が含まれていたことです。これ、コロナ禍関係なしの話です。

コロナ前のあるとき、いつもどおりその総合商社のお店に行くと、扉は閉まっていて貼紙がひとつありました。それは臨時休業のお報せとかではなく、管財人の連絡先を記した、顧客への今までの感謝とかは一切ない、虚しさだけが漂う内容のものでした。驚いていたのは我々だけでなく、あとから来た他のお客さんたちも皆同じでした。斜め前のお店の人の話だと、この状態になったのは2日ほど前で、最初に唖然と立ち尽くしていたのは出勤してきた従業員たちだったというから凄まじい修羅場がこのあと繰り広げられたのでしょう。


倒産する会社にはどこもそれなりの事情があるのでしょうが、あれを見たらさすがに背筋が寒くなりましたね。

そんな中でもそこそこ元気があるのはやはり中国系のお店ですね。韓国系のほうが品質もデザインも圧倒的に優れているのですが、そのぶん価格も高くなってるからいっときのような勢いは無くなっています。中国系に関しては以前もお話ししたことがありますが、良い意味でも悪い意味でも何かに気を遣うということが少ない、忖度がない。良い意味では前例に縛られることがないから冒険的なデザインもたくさん出てくる。その代り失敗に対する責任感もないので作りの悪いものも相応にあります。日本のアパレル会社の「made in China」と中国企業のそれとでは全く意味が違うのです。

なので仕入れというのは楽しいようで非常に難しいものでもあるんですね。


話が大きくそれましたが、今回はほんの様子見と定番商品の補充といった趣きの仕入れとなりました。夏の暑さにも対応し、かつ秋も感じさせる商品ってのは少ないですが、シーズン出だしのアンテナ的な商品もあるのでこれはこれで一興です。

刺繍ものとレース使いは相変わらず堅調のようですね。とうぶん暑さが続くという予報なので、ワンピースもまだまだ新作は出てくると思います。それらを含めてこれからトレンドがどう変わっていくのか要注視です。



そして奥方様の新作も登場です。

今回は「カブトガニ」が主役です。昨年倉敷に行ったときに仕入れた手ぬぐいを使いました。カブトガニは波の穏やかな浅瀬の内湾部が主な生息地ということで、瀬戸内海に面した岡山県の名物にもなっていますね(天然記念物なので獲っても食べてもいけません)。

76㎝のチュニック丈フレアブラウスです。カブトガニ柄にサイドは菊五郎柄の変形模様の浴衣地。背面は普通の着物地ですが、前面で使いきれなかった端切れをあしらってみました。袖丈は五分袖で夏のもう少し先まで活躍するデザインです。サイズはM~Lですが、お胸の豊かなLサイズの方は厳しいかなと奥方様談。価格は税込み¥7,800にしました。気になられた方はどうぞお問い合わせを。



今日の一曲は音楽ではなくある映画の予告編を。

中国の話をしたので、1999年制作の中国映画『あの子を探して』です。

地方のある貧しい村の小学校、たったひとりの先生が都合で数日間留守にすることに。

その間、卒業したばかりの少女に僅かな小遣いで代役を頼む。勉強は適当でいいから、とにかく無事に一人も欠けないよう面倒をみてくれと。少女は小遣いも給料だと思い、必死で子供たちの面倒を見ることになります。

ですが、どうにも貧しい村。ある少年が朝になって登校しないことを聞きに行くと、大きな街に働きに出されたと知ります。少女先生は一人でも欠けると給料がもらえないと焦り、少年の家庭事情などお構いなしに他の子どもたちと一緒に連れ戻しに出かけます。しかし、全員のバス代など出せるはずもなく、少女先生が独りで街に行くことに。ですが少年は働き先にもたどり着けず迷子になっていました。少女先生は街を歩き回りいろんな人の知恵と助けを得ながら少年を探してゆきます。


今やアメリカと並ぶ大国となった中国ですが、我々日本人にとっては親しみにくいような怖いようなイメージが入り混じります。ただ、どんな国でもいつの時代でも人間の暖かみは変わらない、そう信じられるような名作映画です。U-NEXTなどの配信でも観られるようですので、ぜひ探してみてくださいませ。

では今回もご覧いただきありがとうございました。

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