らんまん
さっそく『らんまん』ロスに陥っている番頭さんです
どういう最終回になるのか、脚本の長田育恵さんの想いがどうまとめられるのかがずっと気になっていました。最終週の初回で宮崎あおいさんと松坂慶子さんが登場したので、晩年の博士の語り部として『市民ケーン』形式(主人公の死後、第三者がその人生を掘り起こしてゆくという映画のスタイル)かと思いきや、その後二人は登場することはなく、博士の友人たちのその後と寿恵子さんの衰えが緩やかに描かれてゆきました
スエコザサですが、史実は刊行誌での発表は寿恵子さんが亡くなった5日後だったそうです。図鑑の完成はまた更に12年後だったのですが、それはあまり意味を為さないですね(だったら書くな!)
だいぶ前の回で、寝ている寿恵子を見つめながら
「寿恵ちゃんはまつ毛が長いのう…生え際も可愛いし、うぶ毛が朝日に透けちゅう」
って囁くシーンがありましたが、竹雄に新種の笹のことを話すときにこの伏線が繋がるんですね
「光によう映える、葉の表面には白い毛が生えちゅうけんど、その細い毛が光に透けてきれいじゃった」
と。なんと見事な伏線回収なんでしょう。
長田さんの脚本力もさることながら、数多くの芸達者さんたちに彩られた作品でもありました。藤丸・波多野役のW前原さんや孤高の学者田邉教授を演じた要潤さん、それぞれが淡い未来と哀しい過去を持つ長屋の住人達の役者さんたちも実に見事でした
しかしながらやはりこの作品の力強い支点となったのは神木隆之介くんと浜辺美波さん(本名だそうですが、何と美しい名前!)のお二人ですね。特に美波さんは一躍日本を代表する大女優の仲間入りを果たしたと思っています。どなたかが言ってましたが、この作品、実は寿恵子がヒーローで万太郎がヒロインなんだそうです。ああ、確かに(笑) 主人公はとっ散らかしたいだけ散らかして、いつもどこからか現れてその難題をサッと解決してしまうヒーローは奥様の方でした(我が家と同じw)
この作品は日本中で愛され、恒例となったX(旧Twitter)の反省会(要はいちゃもんw)もほとんど開かれずに終わりました。前作『舞いあがれ』でも書いたのですが、イヤな人間が出てこない朝ドラはいいですよね。今回は田邉教授がそんな役でしたが、彼の哀しみも丁寧に描くことで、昭和期の陳腐な嫌がらせおじさんにしなかったのはさすがです。人の哀しみにも思いを配ることはこんな分断の時代にあってもっとも大切なことではないでしょうか。朝ドラでの優しさは日本人の心に涼風を吹き込んでくれる清涼剤になりますよね
次回は笠置シヅ子がモデルの作品のようで、ヒロインを演じるのは水谷豊さんのお嬢さんとのこと。10月から『相棒』新シリーズがスタートします。親子で日本中を元気にしてくれるといいですね(個人的には関西弁ドラマはもういいや、なんですがw)
では最後にあいみょんの『愛の花』を最終回で流れた2番の歌詞を添えて
恋に焦がれた人は
人は天の上
いつかあの場所で
強く手を結び抱いて
緑ゆれてる
貴方の声が聴こえた気がする
空が晴れたら
逢いに 逢いに来てほしい
涙は枯れないわ
明日へと繋がる輪
泣きなはれw
では今回もご覧いただきありがとうございました